いつかシウミンとグラスを

三年前、シウミンを知りました。

けれども

シウミンの本格的なミュージカルの舞台が、ラストランに入ろうとしています。

これまで、ずっと心配していたのが、彼の歌のことでした。きちんと、ミュージカル的な、声楽的なトレーニングを積むことができたのだろうか、難度の高い、たくさんの旋律が重なる舞台で、きちんと役目を果たすことができたのだろうか、しうペン以外のお客様たちには、どのように受け止められているのかなと、思っていたのです。

 

彼の舞台の感想を見てみると、批判的な意見も多い気がします。

ミュージカルという意味では、やはり歌が弱かったのだなあと、思いました。特に、下の動画を見て。


youtu.be

 

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こういう時、実際に観に行けないのが、本当にもどかしい。TwitterでDMを交わした何人かの(おそらく)しうペンではない人たちに、どうだったのかを聞こうかと思うほどに。

 

けれども、彼の挑戦は、失敗だったのかというと、私はそうではないと思っています。

シウミンは、彼にしか作れないオルフェウスを作ることができたと、思うのですよね。瑞々しくて、一途で、大きな瞳で相手を見つめる。心の中まで覗き込むようにして、相手の心に触れるような目で。縮こまっている、頑なになっているその人の何かを笑顔で溶かすようにして。

そして、そういう彼なりのオルフェウスを、懸命に演じ続けた。あの恐ろしいまでに歌の素晴らしい俳優たちに交じって。多くのサポートがあったと思うけれど、本当によくやったなあ、私なら、途中で棄権していたかもしれないなあと、思います。

 

さらに、失敗ってなんだろうな、とも思いました。望んだように行動できなかったり、期待に応えられなかったり、結果を残せなかったりすることを、失敗というと思うけれど、それは、あくまでもその時点での評価や結果で、1つの点でしかない。

私たちにできることは、その1つ1つの点について懸命に取り組むことだけだろうなと思います。そして、それができれば、それらの点はつながって、さらに先につながっていく。そう考えたら、人生に失敗なんてないのかもしれないなあと。

彼の挑戦と努力は、きっと次の何かに確実につながっていくと思うし、そういう生き方をする人だと、今回改めて感じました。

 

会いたいな。シウミンさん。